昨日、母の付き添いで、とある専門医のいるクリニックへ行きました。
母は「とある病気」と診断されてしまい、治療を開始することになり
その説明を伺いに、私も一緒に行ったのでした。
先生の主旨はこう。
現在治験中で承認待ちの新薬(注射薬)があります。
アメリカでは10年前くらいから使われている薬です。
ウチのクリニックでも5年前からその新薬の治験に参加していて、
既に20数人の患者さんに、治験に参加という形で、
その新薬を使って治療をしている。
薬の効きも、はるかに良い。
もうすぐ承認される予定なので、認可がおりたらその薬を使って治療しましょう。「注射はイヤ」という母に
「どうしてもやってもらいましょう」と、強気の先生。
でも私、ちょっと感じてしまったんです。
「アピールしすぎ」と。
「何が?」かというと、
例えば・・・、
僕は専門医やからね
大阪で唯一それ(新薬)の治験をしましたけど
ウチだけで5年前から(その新薬の)治験をしています
たぶん大阪ではウチだけやと思いますけど、20数人やってます
東京に呼ばれて、その新薬のアドバイザー的なこともやってます
どうやって売ったらいいのか?とか
どんなふうな売り方がいいですか?とか
これだけの患者さんに使ったのは
日本ではあんまりいないんでねとか言うので
「アピールしすぎ」
「ご自分が治験に携わって承認に貢献したから新薬を使いたがってる?」
そういうふうに感じてしまったんですね。
だから、ついこんな質問をしてしまいました。
日本ではこれからのお薬なんですよね?
わたし個人的にはね、
たとえアメリカでは10年前から使われていて
こちらのクリニックでも、5年前から数十人の治験に参加されていると伺っても
新しい薬はちょっとこわいなという印象があって・・・。
新しい薬=安全性はどうなんやろう?と思ってしまいます。
既存の薬と違って長期のデータというのがないでしょう?先生の答えは、
長期じゃないですかね?治験を8年間というのは。
僕は、日本は厳しすぎると思います。
例えば抗癌剤の薬、エイズの薬、
何もかもが遅い。
例えばワクチンでも、副作用はありますが
助かる人の数の方がはるかに多いのに
日本は、はるかに遅い。
僕の個人的な考えでは、遅すぎると思います。
薬なんて飲まなくてすむのなら、飲まない方がいいに決まってる。
だけど、薬を飲んで良い点と悪い点と比べて
はるかに良い点が多い。
じゅん母さんが、どうしても新薬に対して抵抗があれば使いません。
それはしょうがないです。
ただ一つ言えるのは、他の薬に比べてはるかに良い。
じゅん母さんの症状がここまで悪くなければ
この薬を使う必要はない。母と同じ病気と診断されても、
その新薬を処方する患者さんもいれば、しない患者さんもいるんですか?もちろんです。
今までの薬で足りる人は、そうします。
じゅん母さんは、今までの薬ではラチがあきません(症状が悪い)
でも、打つ手が無いのに悪いと言うてるわけじゃない。
打つ手(新薬)があります。
だから薦めてるんです。
だけど、僕は専門医やから、僕の言う事を聞いといたらいいんや
という気持ちはないです。
ただ、他の先生より、はるかに詳しい説明ができます。
ここまで言った上で、どうなさるかはご自身で決めてください。
副作用がない薬はないですから。
だけど、今出てる薬より、はるかに安心して使える薬です。
長いのは15年くらい治験します。
僕は他の新薬の治験にも関与してますが
これはウチだけで3年半、
その前のもので12~3年。
そんなもんですから、そんだけかかってます。
慎重すぎるほどやって
非難を受けるほど慎重な日本が許可してるということで
心配は少ないと考えていいんじゃないでしょうか?
僕らからしたら「ええかげんにしてくれよ」
9年前に(新薬が)発売になってたら、
その間、恩恵を受けれた人はいっぱいいてたはずですからね。と、先生の熱い思いを伺い、ちょっと心を打たれました。
誰かれにでも、その新しい薬を処方しているわけじゃないと聞き
「まぁええか、それやったら」と、自分の中でOKサインが出たというか・・・。
てっきり、誰かれにでも処方するのかと思っていたら
そうではなくて、やっぱり症状に応じて使い分けてはるみたいですね(当たり前か・・・)
診察(説明)の所要時間は約20~25分くらい。
インフォームド・コンセントは、結構できたんじゃないかな?と思います。
新薬のこととか
ドラッグ・ラグのこととか、
先生の口からナマで聞くことができて、いい勉強になりました。
先生の説明してくれる態度、
それが重要ですよねぇ・・・。
幸い、昨日の先生は、その点は、ほぼ大丈夫でした。
患者は、先生の態度に敏感に反応してしまいますもんね。
昨日の先生、辛抱強くよく説明してくれたと思います・・・。
ありがとうございました。