「Ki-67、ウチでも検討中です。
測定方法とか確認しておくこともあるので、病理の先生と相談してみます。
顕微鏡で見てカウントしていく、顕微鏡の検査になります。
染まってる視野と、少ししか染まらない視野がある。
見る場所によって染まり方にバラつきが大きくて測定方法がまだちゃんとしてなくて、だからまだ検討中です」
「病理診断のコンサル、そのお題でどうですか?」
「してもいいけど、それが正しいかどうかわかりません。
データを出してるところの病理の見方でやらないとだめ。
見る人によって差が出ると思う」
「誰が正しいっていうわけでは、ない?」
「ない。正しいって言えるだけの客観的な診断基準がないんです。
で、一番多いとこをみたりっていうとこもあるし、なんとなくその中間とか。
ちょっと曖昧です。Ki-67は計ってもいいですし、これは幾つか出せるんですよ、計るとこがあります。あとはお金の問題と、どうやって計るのか。ウチの病理の先生はたぶんやってくれないんです。・・・抗がん剤する気、僕は全然ないですけど、それでもKi-67計る?」
「だから、しなくていいよっていう安心感のために」
「じゃあ、例えば30%とか28%とかだったら?
今のカットオフ値が、一応30にしようと。
50でやってるとこもあるけど、ザンクトガレンで30くらいだね。
0になることはめったにないからね。5とかは、しょっちゅある」
「5とかやったら安心できる?」
「わかりません。Ki-67っていう不安定さを知ってるから・・・」
ザンクトガレンカンファレンス2009コンセンサス会議速報レポートより引用
3-1 病理: Ki67 |
Yes |
No |
棄権/ 不明 |
初期乳癌の予後評価において増殖能を考慮すべきか? |
88% |
10% |
3% |
増殖能に関しては、異なるさまざまなアプローチがあり、ここではKi67が挙げられているが、他に考慮すべきものはあるか?と問われ、GiuseppeViale は、さまざまある中で、まずは有糸分裂数(mitotic count)とKi67 が、マーカーとして妥当だろうと答えた。
Ki67は増殖能を評価する方法として妥当だと考えるべきか? |
68% |
27% |
5% |
大多数はKi67 が増殖能を評価するマーカーとして妥当だと考えていた。しかしEric Winer は、世界中の何千もの施設において、Ki67測定がどれほど再現性があるだろうかという懸念を表明した。評価法の質的コントロールは、やがて発表されるコンセンサス会議の論文では、十分に考慮されるべき問題である
内分泌療法の選択 (たとえばKi高値であればAIを選択する)にKi67を用いるべきか |
30% |
59% |
11% |
この結果は、適切な確認/批准試験が行われていないことを反映したものである
Ki67 の値は、highly endocrine-responsive の患者に対するCT適用に影響を及ぼすべきか? |
53% |
42% |
5% |
Martine Piccart-Gabhart は、Ki67が高値の患者については、そのこと自体によって、本当にその患者がhighly endocrine-responsive であるのかという疑問を生じさせるとコメントした。この設問に対する回答は、この問題では明らかに議論が残されており、コンセンサス会議の論文中でさらに考慮するに値することを示唆している。
乳がんの個別化治療のための病理学的検索の重要性:がん情報サービスより一部引用
カンファレンス(2010年03月15日)
1. 免疫染色によるホルモン受容体評価法について
2. HER2検査
3. ER、PgR、HER2およびKi67の発現状況による乳がんの新しいsubtype分類
細胞増殖マーカーの免疫組織細胞化学
PR