「傷が、手術が終わった後より、今の方が痛いんですけど、そんなもんなんですか?」
「皮膚の下をはいだところは、神経が鈍くなってた。だんだんと、周りから神経が戻る。完全には戻らないけど。チリチリ感があったり、ということはある。治る過程で、感覚が過敏になることもある。心配はない」
そうそう!
まさにそんな感じ!そんな感じ!
手術の傷、というより、乳房全体が「チリチリ」した感じ。
「チリチリ感」って表現がピッタリ!うまい!
手術後の傷の痛み、突っ張り感や傷痕内部のうずくような痛みに悩まされている。乳がん手術の直後にはあまり痛みを感じなかったのに、最近傷口がずきずきするんですが。
「放射線治療とノルバデックスは、同じ時期でいいの?」
「これはね、うんと、えっと、一部データでは・・・
気になるなら外してもいいよ、たかだか1か月ちょっと」
「ノルバデックスっていうのは長期の再発を防ぐ、
あんまり慌ててやる必要はないからね」
「ケモはなるべく早い方がいいんですよ、短い間の再発を防ぐ」
「理論的にもたかだか1か月ちょっと、
気になるなら外してもいいですけど、
一般的には一緒にやりよる」
「B大病院は偉い放射線の先生が気にして外してるけど、
C大病院は、僕おったC大病院は全然。
ガンガンにやってましたよ普通に。
あんまり気にしてるとこの方が、少ないと思うよ」
「外してもいいですよ、外す?」
「放射線は受ける?」
「受ける」
「絶対受けた方がいい」
「ホルモンの薬は、
だから注射は
(心が拒否してるので)ちょっと後回しにしようと思ってる」
「飲み薬だけまず始める?」
「うん」
「じゃ放射線を受けてから、ノルバデックスを飲む?」
「どうしよう。どっちがいい?」
「どっちでもいい。気になるなら外したら?
外しても別に悪くない」
「じゃあ、そうする」
「CYP2D6?タモキシフェンのね、代謝に関係があるんですけど・・・。
これ日本人のデータがあったかな? 代謝酵素なんだけど。
これをね、重なる薬は飲まない方がいいですよっていうのはわかってるんですけど。
たぶん完全に欠損してる人、少ないんじゃないかな?
普通しないし、計ったからってどうかっていうのは、わからないですよ。調べてみるけど。
結果次第で、タモキシフェンを飲まないってこと?」
「効くってわかれば、気持ち良く飲めるじゃないですか。
でも、効かないタイプって結果が出たら、どうしよう?」
「じゃ飲まんでいいんじゃない? でも、断言できるのかな?信頼性が・・・。まぁ、調べときます」
ザンクトガレンカンファレンス2009コンセンサス会議速報レポートより引用
4-1 内分泌療法:CYP2D6 |
Yes |
No |
棄権/ 不明 |
CYP2D6の測定は、閉経後女性に対する内分泌療法の選択(AI対TAM)において重要か? |
32% |
53% |
16% |
- 相当なエビデンスがあるが、パネリストは現時点ではCYP2D6測定は内分泌療法の選択において重要な因子ではないと考えている。
CYP2D6測定は、閉経前女性に対する内分泌療法の選択(OFSを加えるのかAIか)において重要か? |
投票なし |
- 当初から用意された設問だが、これに関してはあまりデータもなく、現時点における治療選択には影響を与えないとの判断から、投票は行われなかった。
TAMを投与されている患者ではCYP2D6 測定を行うべきか。 |
26% |
64% |
10% |
「Ki-67、ウチでも検討中です。
測定方法とか確認しておくこともあるので、病理の先生と相談してみます。
顕微鏡で見てカウントしていく、顕微鏡の検査になります。
染まってる視野と、少ししか染まらない視野がある。
見る場所によって染まり方にバラつきが大きくて測定方法がまだちゃんとしてなくて、だからまだ検討中です」
「病理診断のコンサル、そのお題でどうですか?」
「してもいいけど、それが正しいかどうかわかりません。
データを出してるところの病理の見方でやらないとだめ。
見る人によって差が出ると思う」
「誰が正しいっていうわけでは、ない?」
「ない。正しいって言えるだけの客観的な診断基準がないんです。
で、一番多いとこをみたりっていうとこもあるし、なんとなくその中間とか。
ちょっと曖昧です。Ki-67は計ってもいいですし、これは幾つか出せるんですよ、計るとこがあります。あとはお金の問題と、どうやって計るのか。ウチの病理の先生はたぶんやってくれないんです。・・・抗がん剤する気、僕は全然ないですけど、それでもKi-67計る?」
「だから、しなくていいよっていう安心感のために」
「じゃあ、例えば30%とか28%とかだったら?
今のカットオフ値が、一応30にしようと。
50でやってるとこもあるけど、ザンクトガレンで30くらいだね。
0になることはめったにないからね。5とかは、しょっちゅある」
「5とかやったら安心できる?」
「わかりません。Ki-67っていう不安定さを知ってるから・・・」
ザンクトガレンカンファレンス2009コンセンサス会議速報レポートより引用
3-1 病理: Ki67 |
Yes |
No |
棄権/ 不明 |
初期乳癌の予後評価において増殖能を考慮すべきか? |
88% |
10% |
3% |
増殖能に関しては、異なるさまざまなアプローチがあり、ここではKi67が挙げられているが、他に考慮すべきものはあるか?と問われ、GiuseppeViale は、さまざまある中で、まずは有糸分裂数(mitotic count)とKi67 が、マーカーとして妥当だろうと答えた。
Ki67は増殖能を評価する方法として妥当だと考えるべきか? |
68% |
27% |
5% |
大多数はKi67 が増殖能を評価するマーカーとして妥当だと考えていた。しかしEric Winer は、世界中の何千もの施設において、Ki67測定がどれほど再現性があるだろうかという懸念を表明した。評価法の質的コントロールは、やがて発表されるコンセンサス会議の論文では、十分に考慮されるべき問題である
内分泌療法の選択 (たとえばKi高値であればAIを選択する)にKi67を用いるべきか |
30% |
59% |
11% |
この結果は、適切な確認/批准試験が行われていないことを反映したものである
Ki67 の値は、highly endocrine-responsive の患者に対するCT適用に影響を及ぼすべきか? |
53% |
42% |
5% |
Martine Piccart-Gabhart は、Ki67が高値の患者については、そのこと自体によって、本当にその患者がhighly endocrine-responsive であるのかという疑問を生じさせるとコメントした。この設問に対する回答は、この問題では明らかに議論が残されており、コンセンサス会議の論文中でさらに考慮するに値することを示唆している。
乳がんの個別化治療のための病理学的検索の重要性:がん情報サービスより一部引用
カンファレンス(2010年03月15日)
1. 免疫染色によるホルモン受容体評価法について
2. HER2検査
3. ER、PgR、HER2およびKi67の発現状況による乳がんの新しいsubtype分類
細胞増殖マーカーの免疫組織細胞化学